岡田克也幹事長は4月23日、国会内で定例の記者会見を開き、「『本気の政治改革』実現に向けた法制上の措置」の「骨子」について発表しました。会見には、党政治改革実行本部事務局長の落合貴之衆院議員も同席しました。

 党政治改革実行本部本部長でもある岡田幹事長は、自民党の法案がいまだに提示されていない状況を踏まえ、法案の「一歩手前」として「骨子」を発表したと強調。「いつでも法案の形で出すことは可能な状態」だと述べました。

 「骨子」は、(1)政治資金透明化法案(政治資金規正法等改正案)、(2)歳費法等改正案、(3)政治資金パーティーの開催禁止法案、(4)企業・団体献金禁止法案――の4法案で構成され、立憲民主党が1月26日に取りまとめた「本気の政治改革実現に向けて 政治とカネの問題に対する立憲民主党の考え方」を公表後に、予算委員会等で発覚した「岸田方式」「茂木方式」「オンラインパーティー」などの「抜け穴もふさぐために規制を強化した」ものです。「岸田方式」「茂木方式」「オンラインパーティー」の内容は以下の通りです。

■「岸田方式」:政治団体ではない任意団体が、「政治資金パーティー」に該当しないパーティーを行い、その収益を岸田総理が代表を務める政党支部に寄附

■「茂木方式」:寄附金控除適用の国会議員関係政治団体から国会議員関係政治団体以外の団体(「適用外団体」)に寄附をし、その「適用外団体」が政治活動に関する支出をすることにより、厳しい支出公開規制の適用を免れていた

■「オンラインパーティー」:現行法上、オンラインパーティーは「催物」に当たらないと解釈され、政治資金パーティーの公開・収入規制の適用を受けない「機関紙誌の発行その他の事業」として収支報告書に記載


岡田克也幹事長記者会見

2024年4月23日(火)16時43分~17時33分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/bwwqzxA6RAw


■冒頭発言

■質疑

■冒頭発言(本気の政治改革)

■質疑(本気の政治改革)


■冒頭発言

○第99回常任幹事会を開催

【幹事長】
 まず、常任幹事会の報告から。
 主なものは、一つは、衆議院選挙の公認内定であります。田村直也さん、兵庫県第5区。長野冬季オリンピックでスピードスケート・ショートトラック1000メートルで5位入賞、ソルトレイクシティ冬季オリンピックでも7位入賞という方であります。44歳。
 それから、静岡の知事選に関して、鈴木康友さんを推薦。
 この2点がきょう決定をされました。
 主な内容は以上であります。

○「『本気の政治改革』実現に向けた法制上の措置 骨子」について

【幹事長】
 それから、この機会を利用して、我が党の政治改革についての案を、法案提出一歩手前という状況であります。いつでも法案の形で出すことは可能な状態でありますが、まだ与党案も出てきていない、そういう段階ですので、法案という形ではあえて出さずに、その一歩手前という形で出させていただく、きょうはその説明をさせていただきたいと思います。
 詳しくは落合さん、(政治改革実行本部)事務局長のほうから説明いただきたいと思いますが、お手元の資料を見ていただいて、最後のページをちょっとご覧ください。そこに立法イメージということで全体像が示されております。それを私のほうから簡単にご説明したいと思います。
 全体は四つに分かれておりまして、一つは「政治資金透明化法案」。これは政治資金規正法等の改正案ということで、新規立法であります。
 それから、「歳費法等改正案」。これは既に、例の旧文通費についてのもので、2022年11月17日に維新・国民民主党と共に共同提案して既に国会に提出してあります。
 それから、3番目が「政治資金パーティーの開催禁止法案」。これは今までにない内容で、新規立法(政治資金規正法改正案)であります。その中にはオンラインパーティーの禁止も含まれているということであります。
 それから、「企業・団体献金禁止法案」。これは既に2022年6月3日に提出済みということであります。
 全体、この大きな四つの塊からなっていて、新規立法は1と3ということであります。
 1の中身、第1から第4まで書いてあります。詳しくは落合さんのほうから説明していただきますが、従来「本気の政治改革」ということで発表させていただいた、たしか1月だったと思いますが、その中身に新たに加わったものが、一つは、いわゆる茂木方式への対応ということであります。それから、岸田方式。岸田さんが広島で開催したパーティーに対する問題。それから、小泉方式と言うと怒られますかね、オンラインパーティー。この新しく出てきた三つの問題についての対応も含めて全体取りまとめたものであります。
 詳細は落合さんのほうから説明させていただいて、その上で皆さんのご意見をいただきたいと思います。ただ、政治改革以外でもしご質問があれば、今の段階でお受けしたいと思います。


■質疑

○静岡知事選 鈴木氏への推薦決定について

【共同通信】
 ちょっと幾つか、何点かあるが、まず、先ほどおっしゃった静岡知事選の鈴木康友さんの推薦を決められたということで、この理由と、与野党対決となると思うが、今回の知事選の位置づけ、意気込み等も含めてお願いできればと思う。

【幹事長】
 鈴木さんは元民主党の議員であり、私も含めて、その後もいろいろな意味で交流を続けてきた人物です。浜松市長としてもしっかり実績を残してこられた方で、まさしく知事として最適であると判断したものであります。

○衆院3補選について(1)

【共同通信】
 補選に関して。ちょっと細かいが、まず東京15区について、自民党の候補が不在という中で、保守票、あるいは浮動票と言ってもいいと思うが、これをどういうふうに取り込んでいかれるかというところの戦い方としてのお考えはいかがか。

【幹事長】
 やはり今の裏金問題に象徴される、政治と金の問題、政治改革の問題、そのことをしっかりと訴えていく。そして、それを自民党に対してきちんと対峙できるのは立憲民主党の公認候補であるということを中心に訴えていくということだと思います。

【共同通信】
 長崎3区についてだが、こちらも自民候補が不在で、維新との一騎打ちとなっているが、ここでも、保守票と言われるものはおそらく維新のほうに流れるものが多いのかと思われるが、そういったところの票の取り込みについてはどういうふうにお考えか。

【幹事長】
 維新のほうに流れるかどうかは、ちょっとわかりません。ただ、ここも、なぜ補欠選挙になったかということを考えれば、やはり政治と金の問題がメインです。それに対してやはり有権者・国民の怒りはすさまじいものがあって、そういう意味で、それに正面から取り組んでいる立憲民主党に対する期待というものは高まっていると思います。

【共同通信】
 最後に一点だが、幹事長は以前より6月解散というのはあり得るというお考えを示されているが、今回の補選結果が、6月、あるいは7月になろうかと思うが、本選にどう影響してくるかというところを改めてお願いしたい。

【幹事長】
 これは、わかりません。私は予想屋ではないので。
 客観的な見通しというふうに言われると、どういう結果が出て、それに対して自民党の中がどういう反応になるのかということがわかりませんので、結果によっては自民党の中で責任問題も出てくるかもしれませんし、それは岸田総裁に対してもあるし、執行部に対してもあると思います。
 その辺の見極めというのは、ちょっとこちらはわかりませんので、それ以上のことはちょっと申し上げられません。

【共同通信】
 その上でだが、この3補選に関しては立憲民主党の各候補が先行しているという報道もあるが、仮に3勝した場合、本戦に向けての弾みになるとか、そういった辺りの見通しがあればお願いしたい。

【幹事長】
 この段階で仮にとかいう仮定の議論を私はするつもりはございません。特に島根は、底力がある自民党ですから、私は全く楽観しておりませんし、そして東京も、抜きん出た存在がない中で、混戦が続いていると思っております。我々としては最後の最後まで全力を尽くすということに尽きると思います。

○政治改革 各党の議論について

【NHK】
 自民党が政治改革案をまとめるが、それについての受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 まだまとまっていないので、何とも言いようがないと思います。中身もわかりませんし、きょうの総会ですんなりと承認されるかどうかもわからないと思います。自民党の議員の中にも、政策活動費とか旧文通費について、しっかりと対応すべきだという声もあるやに聞いておりますので、今言われているような案でまとまるのかどうかというのは、もう会議は始まっていますから、やがて結論は出るのでしょうけれども、現時点で私から何か憶測のようなものを言うつもりはありません。
 きのうの議論を聞いていましても、連帯責任、連座責任のところについて、何か紙を書くと、政治家自身がサインするというようなことを言っておられたやに聞きますが、そのことによって生じる責任というものは中身がどうなのかということは全く明らかではないのですね。では、それで重大な過失があった場合に、例えば議員の身分を失うような、そういった中身なのかどうかということもはっきりしませんので、そこは中身を見てみないとコメントのしようがないと思います。

【NHK】
 もっと大きな枠組みで政治改革を伺いたいが、きょうの会見で国民民主党の玉木代表は、野党としてここまでできるということをまとめていくことも一案ではないかということをおっしゃったが、野党協力のあり方とか、その辺、法案の提出に当たってどのようにお考えか。

【幹事長】
 私たちは、維新に対しても国民民主党に対しても私たちの考え方を説明して、説明もいただいたりしています。中身はかなり重なる部分があります。重なる部分については共同提出でどうかということは常にこちらからは申し上げているところです。

○自民「宮澤議員辞職」「塩谷議員離党」について

【NHK】
 別件で、話は変わるが、自民党の宮澤元防衛副大臣がきょう議員辞職を表明した。それについての受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 ちょっとコメントし難い。事実関係もよくわかりませんので。幹事長がいちいち他党の、しかもスキャンダル的な辞任についてコメントするのもどうかなというふうには思いますね。

【NHK】
 そのお答えの中で恐縮だが、塩谷さんが離党した。これは政治と金の問題だと思うが、それについてはいかがか。

【幹事長】
 離党しなければ除名されるわけですから、離党という道を取らざるを得なかったのだと思います。
 ただ、事実関係がはっきりしないと塩谷さんは述べておられたと思います。それは一部当たっています。塩谷さんを擁護するつもりは全くないのですが、なぜ塩谷さんと世耕さんが責任を取る形になって、ほかの幹部はもっと軽い、事実上非常に軽いような処分で済んだのかということが、きちんと説明されていないと思います。
 それを知るためにも、やはり森元総理に話をきちんと聞いて、どういう経緯でこういうことが始まったのかということを、二十数年前に始まっていたというのが多くの幹部が述べていることですから、それを何も明らかにしないで、電話一本かけて、一人で電話して、記録も取らずに、何も新しいことはありませんでしたで済ませるような、そういういい加減なやり方では私は国民の納得は到底得られないと思います。

○衆院3補選について(2)

【産経新聞】
 東京15区補選について伺いたい。先週18日に行われた会見で連合の芳野会長は、東京15区で立憲民主党が共産党から支援を受けていることを容認できないと述べた。この発言への受け止めと、また、国民民主党も立憲民主党と共産党の関わり方について否定的な見解を示しており、本日玉木代表の会見で、多くの国民は共産党と選挙のために一緒にやることについて違和感を感じていると述べた。今後総選挙が控えている中での共産党や国民民主党との連携のあり方について、どのように考えているか伺いたい。

【幹事長】
 玉木さんがいろいろお考えがおありになるのであれば直接言っていただければいいのですね。いつも会見で言われるだけなのです。我々に何か言われたことはないのです。だから、私もこういう会見の場で返すことは避けたいと思います。何か本当にご意見があるならば直接言っていただきたいなと思います。外向けにこう言うだけというのは、ちょっと理解し難いところがあります。
 芳野会長は、具体的にどういう発言をされたのか私も承知はしていない部分があるのですが、連合が紙でまとめた、この選挙についての考え方。そこを私たちは尊重しながら活動しておりますので、そこに矛盾はないと考えております。

【朝日新聞】
 東京15区に関係して、一部陣営によるちょっと過剰な妨害活動とか、やじとか、そういったものが問題になっており、各党からは既に公選法の改正を初め何らかの対策が必要ではないかという声も上がっているが、幹事長としてのお考えがあればお願いしたい。

【幹事長】
 これは選挙が終わってから冷静に議論したらいいと思います。あまりこの選挙の最中にばたばたとやる話ではないし、法律をつくるならばそれは時間がかかるわけですから。我々もかなりひどい話だなというふうには思っていますが、一方で、公選法でいろいろな制約をかけると重要な政治活動が制限されるという側面もありますから、選挙が終わった上で冷静に議論して必要な対応をしていくということが賢明だと思います。

【朝日新聞】
 関連で。差し障りない範囲で結構だが、実際に東京15区を戦われていて、立憲民主党として例えば何らか対策を迫られていたり、何らか既に被害というか、何か選挙活動に制約を受けていたり対策を取っていたりということがあればお願いしたい。

【幹事長】
 まず、街宣車を接近させて大声で話して、例えばこの前も大串さんも言っていましたが、我々が街宣車から呼びかけていることが有権者に聞こえない、伝わらないというのは、やはり非常に問題だと思います。妨害行為と言われても仕方がないと思います。
 それから、そういう妨害行為もあるということで、あらかじめの告知ということにやはり慎重にならざるを得ないのですね。わかれば(妨害に)来るということですから。告知できないと、本来話を聞きたいと思っている人も知り得ないということですから、そういう意味での制約を受けているということは事実だと思います。

【「FACTA」】
 幹事長は野党第1党たるものは寛容の精神というか懐深くとおっしゃっていたが、さすがに選挙の場面で野党第2党のトップから第1党をたたき潰すと言われると、やはりちょっとかちんとくるものなのか、それもまた受け入れられるようなことなのか、やはり矩(のり)をこえていると思われるのか。これから維新と何がしかちゃんとした関係は難しいのではないかと普通に思うが、それはどういうふうに。やはり懐深くか。

【幹事長】
 選挙になると、そういう発言が相次ぐのですね。統一選のときもそうでした。だから、あまりまともに受け取らない。受け取る必要はないと思います。それこそ懐深く対応していきたいと思います。
 ただ、行き過ぎのことがあれば、それは選挙のときにお互い言い合いになるような、そういうことは私は避けたいと思いますので、選挙が終わったところでどうだったのかというふうに問うことはあるかもしれませんが、何か野党同士が足の引っ張り合いをしているみたいに、この前のご質問もあったのですが、我々は引っ張っていませんので、引っ張り合いにならないように十分懐深く対応していきたいと思います。

■冒頭発言(本気の政治改革)

○「『本気の政治改革』実現に向けた法制上の措置 骨子」発表

【落合政治改革実行本部事務局長】
 皆様、お疲れさまです。
 では、私から、配った資料の1ページ目から4ページ目まで説明をさせていただきたいと思います。
 先ほど幹事長から説明のあった新法(新規立法)の1番目、政治資金を透明化する法案に当たるのが1ページ目から3ページ目になる予定です。上からざっと説明します。
 まず、1番目、「政治資金収支報告に関する処罰の強化」ということで、今まで秘書のせいにしたり、自分はうっかりしていましたということで済ませてしまうものを、議員本人も責任があるような形に法改正をするということです。
 第1の1は、連座制的なものを導入するということで、今まで政治家の収支報告書は会計責任者だけが基本的には責任を持つというような形でしたが、これは収支報告書自体に代表者も、要は国会議員も責任を負うという形に改正をします。
 第1の2は、最初うちの案は隠匿罪を創設するというふうに書いていたのですが、いろいろ検討した結果、隠匿罪を創設しても、その隠匿罪の要件にはめるのが結構ハードルが高いので、これは結局創設しただけで終わってしまうのではないかというようなことがわかりましたので、今までの不記載をもう少しバー低く引っかかるようにするということで、今まではわざとの故意や重過失の場合は不記載で駄目だったのを、うっかりミスと言ったとしても150万円以上の場合は駄目ですよと。うっかりしていましたで逃げられないようにするという形にします。
 第1の3は、国会議員関係団体なのに、その議員が関係団体だけど関係ありませんと言って逃れていた大臣たちもいましたので、それをもう関係団体ならば代表者をその国会議員にしてしまうというのが第1の3です。
 第2は、透明性を確保するということで、第2の1はいわゆる茂木方式の穴を埋めるものです。国会議員関係団体からその他団体に資金を100万円以上移した場合は、国会議員関係団体と同じように、1円以上の領収書を言われたら公開したりですとか、常に1万円以上の経費は収支報告書に載せなければいけなくする。公開条件を同じ条件にするということです。
 次のページ、第2の2は、外部監査。今は議員の関係の団体しか監査を受けていないのですが、それを党本部、それから派閥にも拡大します。それから、収入も外部監査を受ける。今回、収入が不記載だったわけなので、そちらまで監査を拡充するということです。
 第2の3は、オンラインで提出することを義務化する。そうすれば検索に引っかかりやすくなります。
 第2の4が、インターネットで公表する。
 第2の5が、それを関係団体も全部一元的に公開する。
 第2の6が、今まで公開までの期間も長かったのと、公開までの日数が11月末だったのをもう8月末には公開するようにするのと、3年しか公開していなかったのを7年まで長くします。
 次のページ、第3の1と2は、いわゆる政策活動費を禁止する。二階さんが50億もらっていて、領収書は「二階俊博」という領収書だけでいいのかというのを、全部できないようにするということでございます。
 第3の3だけは別の法案で、もう既に出していて、いわゆる(旧)文通費の件です。
 第4は、第三者機関の設置で、これは第三者機関の中身をどうするかはなかなか難しい問題なので、設置するということだけを法律に書いて、その後のどういう形で設置するかは別の実施法をまた別途検討するという形になります。
 ここまでが新法の「政治資金透明化法案」の中身でございます。
 その次、最後の4ページ目、第5の1が新法で、政治資金パーティー自体を禁止します。今まで政治資金パーティーの中にオンラインパーティーが入っていなかったので、オンラインパーティーが抜け道にならないように、それも含めて禁止します。
 第5の2と3は、今まで「企業・団体献金禁止法案」に盛り込んでいたもので、企業・団体献金の禁止と、それから、個人献金を促進するという中身になっています。
 これが我が党の案の全体像です。
 以上です。


■質疑(本気の政治改革)

○「本気の政治改革」実現に向けた法制上の措置について(1)

【日本テレビ】
 確認だが、1月に党としてまとめてから、こちらはそれをどのように立法していくのかということをイメージした資料として私は理解しているが、その約3カ月の間で党内でアップデートされたこと、1月末に出した立憲の考え方から、きょう出されたこれで変わった部分。

【落合事務局長】
 違いは何かということですね。わかりました。
 まず、あのときは、こういう立法をしましょうという、まだ立法の責任者とも話していない状況でしたので、その中で考え方を、こういう方向でというのを決めました。
 その後、では、どこの、政治資金規正法の何条をどう変えればいいのかというのを3カ月かけて検討しまして、先ほどの隠匿罪の創設ですとかは、それをやるよりもこっち(過失による150万円を超える不記載に対する罰則の新設)をやったほうが効果があるというふうな部分もありましたので、その作業一つ一つの条文の点検をやってきたということです。
 それから、先ほど幹事長も言及していましたが、茂木方式とか岸田方式というのはその後の予算委員会で出てきましたので、オンラインパーティーもですね、それは穴が埋まるような形で追加をしています。

【幹事長】
 あと、例の政策活動費。これは当時は(政党から政治家個人への)寄附の禁止をすればいいというふうに考えていたのですが、形態としては寄附という形態の場合と渡切費という形でなされる場合がありますので、両方を封じておかないと、寄附ではなく渡し切りのお金ですというふうに言われてしまうと実効性がなくなってしまいますので、これは3ページの第3の1と2というふうに書き分けてありますが、「渡切りの方法による経費支出の禁止」ということを書くことで完全に道を封じたということになります。

【落合事務局長】
 もう一個、変わったところがありました。すみません。
 一番最初の先頭なのですが、いわゆる連座制的なものを導入するということで、最初の1月26日のときは、代表者が会計責任者を「選任及び監督」する義務を負うというのを「選任又は監督」でどちらか一つでも駄目だったらアウトというふうな形の考え方を示していたのですが、今回は、会計責任者に加え代表者もその収支報告書自体に責任を持つという形で、より厳しいものに、考え方のときよりも厳しいものに変えています。

【NHK】
 細かいことからまず聞くが、この政策活動費については、渡し切りの禁止であったり、ここに注意書きが書かれているが、最終的な支出先が明記されているというか、わかるようになっていれば、そもそも禁止するというよりも透明性を高めるということを主眼に置いているという理解でよろしいか。

【幹事長】
 渡切費というのは、その先を明示しないで支出するのが渡切費ですから、明示するというのは、それは違うのですね。明示するならば、渡切費ではなく、きちっと政治団体なり政党支部に支出すればそれは明示されますが、そうでない限りは基本的には明示されないということになると思います。

【NHK】
 あと、全体4本の法案で、新たに2本ということだが、これはいつ提出するというお考えはいかがか。

【幹事長】
 まず、与党の案も出てきていない状況で、しかも、野党はそれぞれ考え方を示していますが、できるだけ共通する部分については一本化したほうがいいと思うのですね。パーティーの禁止とか、そういう部分は我が党独自の見解なのでなかなか一本化するのは難しいと思いますが、多くの部分は共通化できるはずなので、その努力は引き続きやっていきたいと思います。今のところ国民民主党も維新もそれに対してあまり協力的とは言えない状況ですが、補選が終わったところでもう一度しっかり働きかけをしたいと思っています。玉木さんの先ほどの発言もあるわけですし。

【NHK】
 何らかのものは少なくとも来月くらいには出さないと議論に間に合わないと思うが。

【幹事長】
 いや、もう中身は全部書いてありますので、法案にするのは簡単です。事実上もう持っています。そのパーツを組み合わせればいいだけのことなので。

【NHK】
 国会スケジュールを考えると。

【幹事長】
 一日でできますから。

【読売新聞】
 1ページ目の連座制の部分だが、各党いわゆる連座制のようなことを言っていて、ただ、かなり幅があるのかなと思っているが、今回のを見ると、かなり公選法の連座制に近い、公民権停止も含めて可能だということだと思う。公選法の場合は選挙で、ご本人の身分に関わるもの。これは、もちろん重要ではあるとは思うが、資金についてということで、法的に問題はないとは思うが、どういう論理で公民権停止まで今回入れたのかご説明いただければと思う。どういう法的構造というか。

【幹事長】
 政治資金収支報告書というのは、今のたてつけは会計責任者が一義的に責任を負うことになっていますが、やはり政治家本人も同様の責任を負うべきだというふうに考えているわけです。したがって、それに違反した場合には同じような対応になるということです。
 考え方はいろいろあるというふうには思いますが、与党がどういう考え方を示されるのか、それを見極めて、しっかり議論したいというふうには思っています。

【共同通信】
 幹事長に伺いたいが、今回骨子が完成したわけだが、これの講評というか、完成した所感というか、その辺りをお願いしたい。

【幹事長】
 1月にお示ししたものを法律の条文を念頭に置いてつくり上げたものですので、若干新しいものが加わったというのは先ほどの説明のとおりなのですが、別に所感というか、いいものができたなと思っております。これを基にして、しっかりと他の政党、与党も含めて、協議するベースになるもので、非常にいいものができたと考えております。

【朝日新聞】
 今回新たに、岸田方式、茂木方式、オンラインパーティーが加わったということで、更に網を広くかけるということなのかなと受け止めたが、今回の案に新しく出てきたこうした疑惑も、今回あえて今国会で浮上した論点をかなりスピード感を持って入れたと思うが、これらを含めた理由を改めて詳しくお願いしたい。

【幹事長】
 政治資金規正法、今まで議論を重ねながら次第に中身ができ上がってきたのですが、やはり抜け穴的なものはあると。茂木方式などは本当はあってはならない話。法の趣旨がわかっていれば、特に公党の幹事長という立場にある人がこんなことをやっていたらというふうには思います。だけど、そういうふうに利用する人がいる以上は、やはりきちっと穴を塞いでおかなければいけないと思います。本当は恥ずかしくてそんなことはできないはずなのですが、堂々とそれをやっているわけですから。

【朝日新聞】
 別件で伺いたいのが、先ほどもやり取りのあった政策活動費のところで表現ぶりを確認したい。野党の中でも例えば維新や共産はそもそも政策活動費そのものの廃止を掲げているが、今回あくまで渡し切りの禁止となっているが、そこのニュアンスというのは、廃止とは違うのか。

【幹事長】
 政策活動費の中身というときに、当初は我々も寄附というふうに考えておりましたので、それを禁じれば政策活動費というのは禁止される。廃止も禁止も同じです。でも、それだけでは不十分だという、これは奥野さんが委員会の中でだいぶ議論を展開されたと思うのですが、寄附というよりもむしろ渡切費というふうに定義づけられるのではないかと。一般に言う、幹事長に渡されて、そこから先が何に使われたかわからないというのは、いわゆる渡切費というふうに法律的には定義されるのではないかというふうに考えて、両方ちゃんと封じておかなければ、一方が空いていればそこが抜け穴になってしまうと、そういう問題意識に基づいてやめたものであります。禁止も廃止もそこは一緒です。

【朝日新聞】
 もう一点、細かいところを伺いたい。一番最後のオンラインパーティーのところで伺いたいが、コロナ禍で急増し、そのときにも論点になったと思うが、総務省の見解として、オンラインで要はリアルに人を集めない集会は政治資金パーティーに含まないという国会答弁だったり質問主意書に対する回答をしている。今回オンラインを含め全面禁止とあるが、たぶんこの定義自体を変えないと、オンラインを含めて禁止にしても、そもそも含まれていないパーティーが実態としてたくさんあると思うが、その辺りはどうされるのか。

【落合事務局長】
 なので、政治資金集めパーティーというものの中にオンラインパーティーも含むというふうに条文を変えます。それを禁止するということです。

【朝日新聞】
 その文章を加えることによって、現状含まれていないものも政治資金パーティーとして認定できる、扱えるという。

【落合事務局長】
 そうです。

【共同通信】
 先ほど幹事長のご発言の中で、野党共通する部分、共通化していける部分が結構あるというお話があった。元々各党が改革の案を示していた段階で、野党各党でいうと、企業・団体献金の禁止、政策活動費に対する問題意識、透明化に関するオンラインとか、第三者機関というのも一部共通していたりすると思うが、ただ、各党、最近それぞれ骨子のような形で出してきていて、先ほどの質問でもあったが表現ぶりが少しずつ異なるような点もある。現時点で共通化できそうだとお考えになっている点、どの点が主にというのをお聞きしたい。

【幹事長】
 我が党の独自に既に提出している企業・団体献金の禁止、それから今回新規に出すパーティーの禁止、そこの部分はちょっとずれがあるのかもしれません。だけど、ほかの部分はほとんど一緒だと思います。

【産経新聞】
 先ほどの政策活動費に関連して伺いたい。この政党からの寄附と渡切費の禁止、どちらも禁止することによって、いわゆる政策活動費を廃止するというような、そういった理解でよろしいか。

【幹事長】
 そうです。

【産経新聞】
 もう一点、細かい表現ぶりの話になってしまうが、旧文通費の部分の「収支の公開」というのは、使途の公開というふうに理解してよろしいか。

【幹事長】
 基本的には全部領収書をつけるということですね。もちろん、その前提として、何に使っていいかということを決めなければいけません、明確に。あとは領収書をつけて、その目的に沿ったものになっているかどうかはチェックできるようにするということです。

【産経新聞】
 全部の使い道について領収書を添えてと。

【幹事長】
 そうです。

【「FACTA」】
 まず1点目で、新規立法が2本ということだが、これは規正法を廃止して透明化法になるのか。どういうたてつけか。いわゆる規正法のほうが実は厳しい名前で、透明化法というのは、規正法の中の目的に書いていないからそこをピックアップして新法にして特別法みたいになるのか。規正法を透明化法にするというが、新規立法ということは規正法はなくなるというか、どういうたてつけの法案を考えているのか。

【幹事長】
 規正法はそのままです。それの一部を修正するという形です。その修正する部分を透明化法という形で名前で呼んでいるということです。

【落合事務局長】
 通称名ですね。

【「FACTA」】
 後法優位ではないが、要するに特別法というか、そこの。

【幹事長】
 特別法ではないです。

【「FACTA」】
 特別法ではないが、それについての追加法になると。要するに、基本的に規正法を含めて元々わかりにくいのに更にいろいろな法律をつくっていくのが本当にいいのかどうか、そこがよくわからない。

【幹事長】
 規正法を改正するのです。

【「FACTA」】
 改正する。だから、法案の名前が透明化法という法案になるということか。新法なのだから。

【幹事長】
 その改正するものを束ねたものを今回出すので、もちろん「政治資金規正法の一部を改正する法律(案)」でもいいのですが、わかりやすく、その中で特に透明化のための改正ですから「透明化」という名前をつけているわけです。

【「FACTA」】
 規正法の中に透明化ということが目的を読んだら入っていると思うが、そこに透明化という言葉を入れたりして透明化のところだけ条立てして何かやると。要するに規正法自体は一本なのですね。それに新たな法律ができるわけではない、新法ができるわけではないですよね。

【幹事長】
 違います。

【「FACTA」】
 では、これは新規立法というか。それはわかりました。すると、今度はこっちの、新規立法と書いてあるが、パーティーのほうは、要するに規正をするのではなく、これは完全にその行為自体を禁止してしまうわけですよね。

【幹事長】
 そうです。

【「FACTA」】
 政治家は人を集めて、お金を集めないまでもカンパを受けたりいろいろなことをしているわけだが、要するに会費を集めて集まる、いろいろな形でお金を集めるわけだが、何でその行為自体を全て禁止しないといけないのか、そういうところは。

【幹事長】
 政治資金パーティーを禁止するということです。

【「FACTA」】
 いわゆるパーティー券を売って、その上がりの一部がこうやるようなことはないけれども、何がしかパーティーをして、そこでお金を集める、寄附されたり、そういうことは全て許されるわけですよね。

【幹事長】
 会費制でパーティーをやることは政治資金パーティーではありません。その収支が合っていれば。そういうものは禁止されておりません。
 それから、パーティー、アメリカなどを見ていると、パーティーをやって、例えば食事会を完全な会費制でやって、そこで寄附を募るということは、これは個人の寄附を募るということは、それは可能です。それは個人の寄附ですから、そこまで我々は禁止しているわけではありませんので。

【「FACTA」】
 これも規正法の一部を改正してこの文言を入れるというだけですよね。

【幹事長】
 ただ、政治資金パーティーそのものがなくなるという意味では、かなり資金法の大幅な、その部分の改正というか、一部廃止になるわけですね。

【「FACTA」】
 これは立憲の中で皆さん合意の上なのですね。パーティーは全部廃止ということでいいんですね。

【幹事長】
 もちろん。

【NHK】
 今の最後のところで、細かいが、確認だけ。政治資金パーティーの開催禁止法案も、政治資金規正法の改正案ということでいいか。

【落合事務局長】
そうです。

○食料・農業・農村基本法改正案について

【司会(事務局)】
 その他の案件も含めて、ご質問ありますか。

【フリーランス】
 先ほど質問をしそびれたので、岡田幹事長にお願いしたいが、農政の件で基本法が衆議院を通過したが、これは金子大臣に伺ったら、残念だったと、もっと立憲の案が取り込まれるはずだったというふうにおっしゃって、結局は政争の具になってしまったのではないかと。たぶん長崎の補選のことをおっしゃったのだと思うが、それはそうお考えか。◎

【幹事長】
 「政争の具」というのは、誰かそういう表現を使われたのですか。

【フリーランス】
 そうですね、金子さんとか、それから神谷さんとか、ちょっとそんなことをおっしゃっていた。

【幹事長】
 個別の議員が何を言ってもいいのですが、我々としては、やはり基本のところで到底、我々の意見が入らなかった以上は、賛成はできないと。
 今の農業の現状を本当にどう考えているのかと。高齢化が進み、農業をやっても生活できないような、そういったところにしっかり焦点を当てずして何をやっても、それは絵に描いた餅だと、私は基本的にそう考えています。

【フリーランス】
 附帯決議は効力を発揮できますか。

【幹事長】
 それは附帯決議についてしっかり尊重してもらいたいと思います。

○「本気の政治改革」実現に向けた法制上の措置について(2)

【「FACTA」】
 やはり肝は連座制のところなので、これを伺いたいが、公明党案はいわゆる確認書というのを結ばせた上で、いわゆる今のアンド法になっている選任と監督、それをオアにするんだと、いずれかで罰則するんだと、わかりやすいが、この連座制というのは、会計責任者と代表者の関係においては連座制というより連帯責任みたいなことになってしまうのか。ここで言っている連座制というのは法律でいうとどういう書き方になるのか。要するに会計責任者と全く同じことを代表者にも求めているのか。代議士さんがそこまでできるとは思えないので、使用人と使用者の関係においてはどういうたてつけの連座制になっているのか。要するに公明党案みたいなものの考え方はそういうたてつけがはっきりしているが、どういうお考えなのか伺いたい。

【幹事長】
 同じ責任を負うということです。会計責任者と政治家が同じ責任を負うと。

【「FACTA」】
 要するに連帯責任ということか。

【幹事長】
 それが連座制だと。

【「FACTA」】
 ほとんど連帯責任と同じことになる。

【幹事長】
 はい。

 

(以上)