立憲民主党は4月10日に自見はなこ内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)を内閣府に、翌11日武見敬三厚生労働大臣を厚生労働省に訪ね、「小林製薬の紅麹を原料とするサプリメントによる健康被害に関する緊急申し入れ」を行いました。

 小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントをめぐっては、摂取後に腎臓の病気を発症するなど、これまでに5人が死亡し、入院事例や健康被害の訴えが相次いでいます。機能性表示食品制度は創設当時から消費者ではなく経済優先ではないかとの懸念や安全性・機能性の科学的根拠について問題が指摘されてきました。立憲民主党は今回の健康被害を受けて、「機能性表示食品の見直しに関するプロジェクトチーム(PT)座長・大西健介衆院議員」を立ち上げ、今回、健康被害への早急な対応と機能性表示食品制度の在り方を政府に要請しました。

 申し入れ内容は、(1)国が責任をもって原因究明を行うこと(2)消費者への十分な情報提供と類似製品への風評被害の防止(3)消費者庁による「届出後の機能性表示食品の健康被害情報の収集・評価・報告の実施状況の確認について(照会)」の回答結果が出るまで、新たな届出の受付を停止し、新規の流通を差し止めること(4)健康被害の発生及び拡大の恐れがある場合には、原因が特定できていなくても速やかに報告することを義務付ける法改正を今国会で実現すること(5)原材料の受け入れを含めた製造管理基準(GMP)の認証を義務化すること――など9項目にわたる緊急要請です。

 自見内閣府特命担当大臣への申し入れでは、大西PT座長より「原因究明の結果が出る前だとしても、健康被害の報告が2カ月もなかったことは事実であり、早急に義務化すべき」と、報告を義務付ける法改正の緊急性を主張しました。これに対する自見大臣の回答は「信頼に足る制度が必要ではあるが、エビデンスに基づく行政としての決定が必要」というものでした。

 武見厚生労働大臣への申し入れでは、参加議員から健康被害の報告義務化の法改正を求めるとともに、「安全性に関しては厚労省が主導すべき」「法改正では食品衛生法や食品表示法、機能性表示食品のガイドラインなど網をたくさんかける方法を消費者庁と議論してほしい」などと要請。武見大臣からは、「製品の出荷までのプロセスや疫学的調査、ガバナンス調査を踏まえたうえでルール化は必要。所轄は消費者庁だが食品全般の安全にかかわる厚労省も連携してルールが機能するよう考えてみたい」との趣旨の回答がありました。

 申し入れ後に記者団の取材に応じた大西PT座長は、「健康被害の報告を怠ったためにこの2カ月で被害が拡大した恐れもある。原因究明を待たずとも報告を義務付ける法改正は先んじて今国会でやるべきだ」とあらためて強調しました。

 今回の申し入れには、代表代行の西村智奈美衆院議員、NC厚労大臣の高木真理参院議員、山井和則、柚木道義、中島克仁、井坂信彦、早稲田ゆき各衆院議員、石川大我参院議員が参加しました。


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政府要請(自見大臣、武見大臣宛).pdf