衆参両院で予算委員会の集中審議が12月8日に行われ、今、問題となっている自民党派閥の裏金問題について衆院では枝野幸男、後藤祐一両議員らが、参院では蓮舫議員らが質疑に立ちました。

枝野幸男議員

 枝野議員は、自民党派閥の裏金問題について「政権の正当性を揺るがす事態になっている」と指摘し、岸田文雄総理、松野一博官房長官等が「政府の立場として」「捜査中のため」とコメントを控えて答弁逃れをする岸田政権の姿勢を批判しました。
 政治資金パーティー券について、ノルマを超えた売上をキックバックし、パーティー券の収入として計上せずに裏金にすることについて、政治資金規制法違反、脱税の可能性があるとして、岸田総理の認識を問いました。岸田総理は「私の立場で発言することは控えなければならない」との答弁を繰り返しました。
 枝野議員は、裏金作りを「派閥のシステムとしてやっていたのではないか」と質問しましたが、岸田総理は「捜査に影響を与えるおそれがあるので、私から発言することを控える」としか答えませんでした。枝野議員は「派閥の会長として容認していないと答えればよいだけ」と疑念を呈しました。
 枝野議員は自民党の派閥について、「半世紀前から派閥の弊害除去のために、党三役は派閥を離脱する等、政治改革の一環として決めていた」にもかかわらず、「岸田総理は派閥の会長をやりながら、派閥の裏金問題が出てきた途端に一転辞任。火の粉が飛んできそうだと逃げ出すのは、あまりにもひどい」と批判しました。
 さらに、この間噴出した副大臣、大臣政務官のスキャンダルは「そもそも『人事が派閥順送り』だから起きている」「派閥の弊害」が50年前から指摘されながら、今も続いている自民党に対して、「派閥を解散したらどうか」と詰め寄りました。
 枝野議員は松野官房長官に対して「パーティー券の販売で、ノルマを超えた分について裏金にしたケースがあったのか」問いました。松野官房長官は「政府の立場として答えを差し控える」「清和会としては事実関係を精査する。これから事実確認の最中なので、刑事告発がなされ私の政治団体についても精査して適切に対応していたい」との答弁を繰り返しました。

20231208_100059.JPG

後藤祐一議員

 後藤議員は、自民党各派閥による政治資金パーティーの収入不記載問題について、各閣僚に質問しました。

 新藤義孝 大臣(経済再生担当)は所属する派閥(茂木派)の収支報告書について「政治資金規正法に則った対応している」、盛山正仁文科大臣は、派閥(岸田派)から自身の政治団体への寄付金について「適切に処理されている」と答弁する一方、安倍派の元事務総長である松野官房長官は、「事実確認がなされている最中」「(刑事告発され)捜査が行われていることを踏まえ、お答えは差し控える」との答弁を繰り返しました。

 後藤議員は、松野官房長官の「政府の立場にあり(答弁を控える)」との発言について、政府の立場ではなく参考人の立場で呼ぼうとしたが揉めたので、政府の立場で良いが「政府の立場にあり」との発言をしない約束だったと指摘。岸田総理は「何か発言することは、捜査に影響を与える恐れがある」と述べ、松野官房長官をかばいました。

 後藤議員は、同じ安倍派の鈴木淳司総務大臣が(パーティー券販売のノルマを超えた分の)キックバックはなかったと答弁していることから、「キックバックはない」との答弁が捜査への影響はないとすれば、捜査の影響があるという答弁は「裏金を作っているということではないか」と指摘。「官房長官は、岸田政権の全体について説明責任を負っている仕事」「官房機密費まで全部握ってる」「(裏金疑惑が)1000万円を超えているという報道もされている。そんな方に官房長官を任せておけるわけがない」「官房長官を辞めるべき」と迫りました。松野官房長官は「引き続き、私の所管する分野に関して、その責任を果たしてまいりたい」と述べたことから、後藤議員は「この答弁が続くのでは、国会としての機能が果たせない」と指摘し、松野官房長官の証人喚問を委員長に求めました。

20231208_111538.JPG

蓮舫議員

 蓮舫議員はまず、自民党派閥の政治資金パーティーの裏金問題について、松野官房長官に「清和会(派閥)から1000万円を超える裏金、キックバックを受け取ったのか」と問いました。ここでも松野官房長官は「政府の立場として答えを差し控える」等の答弁を繰り返し、蓮舫議員が「同じ清和会の宮下農水大臣は、キックバックはない。鈴木俊一財務大臣はノルマを超えたことはないと明言しているが、長官だけなぜ言えないのか」との問いに対しても、松野官房長官は明言を避けました。

 蓮舫議員は、世襲候補が親族の政治団体の名義変更を行えば、非課税で政治団体・政治資金を引き継ぐことができるとする現行の政治資金規正法について、問題視しました。安部晋三元総理が亡くなった後、政治家ではない昭恵夫人へ、国民の税金である政党交付金が入る政党支部が引き継がれ、さらにその後、当該支部および安部元総理の関係政治団体から昭恵夫人が代表となった政治団体への寄付など、計3.4億円が非課税で引き継ぎがされていることを指摘しました。岸田総理に「地盤・看板・鞄と言われているが、選挙区も知名度もお金も引き継ぐ世襲議員を相手に、お金もないが、能力・やる気がある若者が手を挙げるのは相当不平等」と指摘しました。

 また、宮下一郎農水大臣や自見はなこ内閣府特命担当大臣についても、親族間での政治資金の引継ぎ・寄付が行われているとし、非課税相続・非課税贈与だとして厳しく追及したことに対し、両大臣ともに「関係法令に則り適切に対応した」とし、あくまでも政治資金規正法の範囲内だとの答弁にとどめました。

 最後に、立憲民主党が10月に政治資金世襲制限法案を提出したことを述べ、岸田総理に「まず今すぐできることから始めませんか」と、見解を求めました。総理は、「指摘の議員立法についても問題意識に基づいて提出されたものと承知しているが、政府として議員立法に直接言及することはしない」と答えました。

231208_renho.jpeg