衆院予算委員会基本的質疑の2日目が10月30日に行われ、立憲民主党からは逢坂誠二、早稲田ゆき、藤岡隆雄、岡本あき子、井坂信彦ら衆院議員5人が質疑に立ち、政府が打ち上げた減税のあやふやさ、多額の予算が積まれる基金、政府の子ども・子育て施策の遅すぎる実施時期、利用率の低いマイナ保険問題等について政府をただしました。

■逢坂議員「防衛財源も少子化財源もあやふや」

 週末での地元活動で聞いた声を踏まえながら逢坂議員は冒頭、岸田総理が発表した「減税」について、「多くの国民が喜ぶはずの減税が、ことのほか評判が悪い」と切り出しました。その上で、防衛財源や少子化対策財源について「恒久的安定的な財源を確保」できていない状況で、「減税」を実施するのは「あやふやだ」と指摘しました。

 岸田総理は少子化対策財源について「徹底した歳出改革を行った上で国民に実質的な追加負担を生じさせないことを目指す方針に従って、年末に向けて考えていく」と述べましたが、逢坂議員が「国民に1円も追加負担は発生しないか」とただしたところ、あいまいな答弁に終始。逢坂議員は「非常に苦しい答弁だ。増税しない、追加負担しないと言って、1円も増やさないと言えないのは不思議な答弁だ」と追及しました。また、防衛財源や少子化財源確保のための「歳出改革」についても「振れば出てくる打ち出の小づちなのか」と疑問視し、「事業を廃止するならともかく、そもそも財源と呼べる代物ではない」と批判しました。

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■早稲田議員「偽装減税よりも恒久的な安心を」

 早稲田議員は、岸田総理が新たな経済対策として指示した、所得税などを定額で年4万円減税する案に対し、国民の評価が得られていない調査結果を受け、「選挙目当て一時的の減税で、その影にはこれから国民負担がどんどん増えることが分かっているからではないか」と指摘。少子化対策については負担の議論が進まず、財源について説明がないと問題視し、「総理は歳出削減で捻出すると言うが、子育て支援金を除いたら保険料を下げることになる。社会保険料を下げるのであれば介護や障害福祉の給付カットに直結し、賃金が上がらない」「介助、介護の人手が足りない。きめ細かいサービスをしようと思ってもどんどん報酬が削られ辞めていってしまう。こういう深刻な声を総理は聞かれているのか。総理のメガネの向こうにあるのは経団連、経済界だけで物価高で苦しむ国民の窮状を見られていない。利用者の負担増、国民負担は上がるけれども減税だけをおしゃる『偽装減税』をやめていただきたい」と訴えました。

 児童手当を拡充する一方で、政府が検討しているとされる高校生の扶養控除廃止については、増税と同じことになると批判。「高所得者にも減税するなら、5兆円もの減税の予算をつけるならば、今困っている方や、低所得の方たちにこそ貧困対策として児童扶養手当を増額してもらいたい」と立憲民主党が提出している議員立法(児童扶養手当増額法案)の必要性を強調。「子どもの貧困対策の柱になる。一時的な減税より恒久的な社会保障の安心が必要」「偽装減税だけでなく恒久的な社会保障の安心を国民の皆さまに享受してもらえる政策を前に進めてほしい」と求めました。

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 藤岡議員は岸田政権になって16.9兆円の基金が補正予算で造成された点に関連して、休眠基金や円高対策を目的とする基金も含まれている等問題点を指摘し、「毎年度の予算の計上は国会のチェックを受けるべき」と提起しました。岸田総理は「それぞれの所管大臣が判断すべきもの」と答弁するにとどまりました。

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 岡本議員は、日本では若者が安心して結婚、子育てができると思えないのではないか、子ども・子育て政策は「喫緊の課題だ」とし、立憲民主党が提案している児童手当の拡充、給食費の無償化などについて「前倒しして実施する必要がある」、政府のプランでは遅すぎると訴えました。

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 井坂議員は、マイナ保険証の利用率の低さを国民の不安の表れと指摘し、「50%を超えるようなめども立たないのであれば、紙の保険証の廃止は延期すべき」と政府に求めました。岸田総理は「適切に判断する」とだけ答えました。

 詳しくはこちらでご覧になれます👉立憲民主党国会情報 2023年10月30日 衆議院 予算委員会