衆院憲法審査会が6月1日に開かれ、緊急事態における参院の緊急集会を中心に討議が行われ、立憲民主党から近藤昭一、中川正春、階猛の3議員が発言しました。

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 近藤議員は、焦点になっている緊急事態条項に関して、2012年の自民党憲法改憲草案で提起されたものであり、その内容は(1)内閣が緊急事態宣言を出し、(2)内閣は、「法律と同一の効力を有する政令を制定」でき、(3)予算の裏付けなしに「財政上必要な支出その他の処分」ができ、(4)「地方自治体の長に対して必要な指示をすることができ」、(5)緊急事態中は、基本的人権の「保障」は解除される、というもの。内閣が緊急事態宣言を出すことで、内閣は、(1)国会の立法権、(2)予算決定権、(3)地方自治などを独占し、(4)国民の基本的人権を侵害できるなど、憲法の民主主義、基本的人権に係る諸原則を停止できる--と説明しました。緊急事態条項を創設することについて、「緊急事態において憲法の根本原則を停止できることになる。私は、緊急事態条項の創設に反対する」と言明しました。

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 中川議員も憲法に緊急事態条項を設けることについて、「かえって権力によるその濫用のリスクがある。緊急事態の大義名分のもと、緊急事態条項が濫用されるというリスクだ」と懸念を示しました。ただし、緊急事態発生で選挙困難事態が続き、衆議院不在の期間が長期化した場合の対応について検討する必要性を認めました。特に70日を超えて選挙困難事態が続く場合、憲法54条の参議院の緊急集会では対応できず、議員任期を延長すべきという自民党等の提案に対しては、「議員任期の延長は必要ないと考えている。もともと70日は、その間に選挙をして衆議院の機能を取り戻す期限の目安であり、万が一、これを超えたからといって参議院の緊急集会の機能が否定されることはない」と述べました。

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 階議員は、他会派から70日ルールを超えた運用を緊急事態下で容認することは立憲主義に反するのではないかと問いかけられたことに対して、「立憲主義の見地からは憲法に書いてあることは緊急事態であっても守ることが大原則だ。しかしそもそも立憲主義は憲法によって国家権力を縛り、恣意的な権力の行使を防ぐことに本質がある。したがって憲法のルールを形式的に守ることを理由に上げ、恣意的な権力行使の余地が広がるように憲法を解釈し国家権力にとって都合の良い憲法改正を主張することは、立憲主義に名を借りた立憲主義の破壊であると言わざるを得ない」と断じました。さらに階議員は、「時の権力者が安易かつ長期に任期を延長して政権を延命させ、選挙による民意の審判を仰がぬまま、フルスペックの権力を行使し続ける独裁政治につながるからだ。そもそも緊急集会の活動期間については憲法に明文の定めはない。選挙困難事態をできるだけ防ぎ、また早期に解消するための手立てを講じつつ、70日という上限を設けず、(参院)緊急集会の活動を認めるとともに、その権限の範囲は必要最小限、かつ暫定的なものに留めるという方向性がより立憲主義に即した議論だ」と指摘しました。