いよいよ、ついに、ようやく、こうして新しいスタートを切ることができました。さまざまな経緯や困難を乗り越えて、150人の国会議員のみなさんが結集をしていただきました。いよいよ新しい立憲民主党、略称民主党が今からスタートいたします。まずは、結集をいただいた議員のみなさん、そして次の総選挙に向けて活動されているみなさん、さまざまな困難を乗り越えてお集まりをいただいたことに、冒頭心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。ウェブで参加をいただいている、あるいは、なかなかそれもできずに、たくさんの自治体議員のみなさん、それぞれの党の党員、サポーター、パートナーズのみなさん、無所属の厳しい環境で活動する仲間を支えてくださったみなさん、本当にたくさんのみなさんに、この間ご心配をおかけしました。また、今回の合流で、その手続きなどをはじめ、大変なご苦労ご迷惑をおかけいたしました。ご理解をいただき、ご協力をいただいたことに、新しい党を代表して感謝と御礼を申し上げます。連合の神津会長、町田さん、そしてウェブを通じて、スガナミさん、田中さん、厳しくも背中を押していただける激励を頂きました。本当にありがとうございます。

 この8年近く、特にこの3年間、それぞれのみなさん大変厳しい道のりでありました。それは同時に、多くの国民のみなさんにとって、政治の選択肢が見えない、そんな状態だったと思います。それぞれ努力してきたつもりがありますが、結果的に、そんな状態が8年、その中で政治の現場にいた一人として国民のみなさんにお詫びを申し上げたいと思います。しかし、今回、衆参で150名、特に衆議院では政権交代の発射台と言われる100名を超えるメンバーが集まりました。この間、それぞれに経験をしてきた困難と挫折、その中で学んできた教訓をしっかり活かして、必ずや国民有権者と未来の世代に対する責任を果たしていこうではありませんか。

 先ほどのスガナミさんからも本当に現場でご苦労されている心からの叫び、聞かせていただきました。私は、この間、「政治に私たちは見えていますか?」こう問いかけられた学生さんの話を繰り返しています。コロナ禍で緊急事態宣言の中、ウェブヒアリングを通じて問いかけられた言葉です。親に頼ることなく派遣労働とアルバイトを掛け持ちしながら学校に通っておられた。画面越しでヒアリングをしました。なんとかつながっているアルバイトの短い休憩時間中に「食事の時間がここしかないから」と言って、コンビニで買ったと思われる軽食を食べられながら、話を聞かせていただきました。メインの収入源である派遣の仕事がなくなり、退学も考えている、明日のくらしをどうしたらいいんだろう、先の人生の見通しなんかまったく見えない。「(政治に私たちは)見えてますか?」重くのしかかる言葉でした。言うまでもなく、これは彼女だけのものではありません。生活困窮者の支援をされてきている団体の幹部の方、「もともとギリギリのところで生きてきた人が多い、困っている人が増え続け、受け皿がもうパンクしそうだ」。それまで月収13万円14万円、不安定の中でも何とかやりくりして生活を維持してきたそんな人たちがどんどんどうにもならない状況に追い詰められています。これに応えなければ、政治の存在意味はありません。これまでの政治は、目先の効率性を重視し、命を守る、くらしを守るそのメッセージや行動が不十分であったと言わざるを得ません。政治は、国民の命とくらしを守るためにあるはずです。私たちは、見て、見ようとしている、ともに壁を乗り越えようとしている。私は、先ほどの学生さんの問いかけに、こう自信をもって答えたいと思っています。それが今回の結集に向け、私の背中を押した大きな大きな原動力であります。

 森友学園事件の決裁文書書き換えを指示され自ら命を断った近畿財務局職員の赤木俊夫さん。真相究明を求めるご家族が声を上げ続けています。この問題も、大きく胸を揺さぶられます。この7年8カ月、国家運営の根幹である公文書が改ざんをされ続けました。生前の赤木さんは、「国家公務員として国民のために働くことが誇りだ」、そうおっしゃっていたそうです。権力に近い人間ならば裁かれない、真相究明がなされない。問われているのは、日本というこの国家の社会の正義そのものであります。残念ながら、この間、政治に対する諦めが広がってしまったと受け止めざるを得ません。政治が国民一人ひとりの顔を見ていない、声を聞いていない、だから政治に期待をしても仕方がない。選択肢を明確に示すことができなかった野党の責任を痛感をしています。しかし、このコロナ危機の中、やむなく声を上げざるを得ない、そんな状況に追い込まれ、たった一人で傷つきながら、あるいは、周りのみなさんと力強繋がって、政治を変えようと立ち上がり始めた人たちがいます。いや実は、このコロナ危機の前から、そうしたみなさんはいたのです。政治が受け止められなかった、受け止めきれなかったにすぎないのだと、私は思います。今必要なことは、社会のさまざまな現場で上がる国民のみなさんの声、それに真っ正面から応える政治だと、私は思う。そして、立憲民主党の役割とは、そこにあるのだと思うのですが、みなさんいかがでしょうか。

 私たちは、この一年共同会派でともに戦ってきました。コロナウイルス感染症のヒアリングなどを通じて、国民のみなさんと繋がり、背中を押されて、戦ってきました。定額給付金や持続化給付金、あるいは、検察庁法改悪のくいとめなど、現実に国民のみなさんの声を受け止め、それを政治の現場へと繋ぎ、政治を動かす回路として働いてきたのではないでしょうか。その国民のみなさんと繋がってきた経験が、今ここに立憲民主党を生み出したと思っています。このともに戦ってきた経験をもとに、これをより大きな流れにしていかなければなりません。この一年、まだまだ不十分です。でも、共同会派で大きく結束することで、それまでとは比較にならないほど大きく前進することができたと思っています。この経験を、自信と誇りにし、さらにパワーアップして、前進をしていこうではありませんか。

 今こそ、国民のみなさんに選択肢を示す時です。過度に競争をあおる行き過ぎた自助と自己責任を求める新自由主義か、支え合いの社会なのか、公文書が改ざんされ真相が闇に葬られる国なのか、公文書が正しく管理・公表され正義が貫かれる国なのか、国民一人ひとりを見ない政治か、現場の声とともに行動する政治なのか。私たちは、国民のみなさんとともに行動します。政治をあきらめてしまっているみなさんにも、いや、そうしたみなさんにこそ、呼びかけたいと思います。あなたの苦境はあなたのせいではない、政治はあなたを見ている、ともに現実を変えていくために政治は存在している、真っ正面からそう伝えるため、前に進んでいこうでありませんか。

 明日、菅新政権が発足します。ようやく臨時国会が開かれます。しかし、首班指名だけの臨時国会です。感染症対策、その影響に対する経済対策、相次ぐ水害などの災害対策、しっかり議論しようじゃありませんか。身勝手な解散総選挙で論戦から逃げようとするならば、それこそ国民不在の政治である、そのことの証明だと言わざるを得ません。安倍政権の継承を語っているそうであります。膨大な予算をかけた布マスクの配布、給付金授業の遅れやそれにまつわる不透明な業務実態、現場の危機感とはまったくかけ離れたものです。危機をどう打開していくのか、どのような社会にしていくのか、菅さんご自身の言葉で語っていただき、議論しようではありませんか。もしそれが出来ずに論戦から逃げるなら、まさに権力維持に汲々(きゅうきゅう)しし、国家の正義や国民生活の実態をまるで見ていないことの証です。私は、堂々と菅さんと論戦をし、国民の声を伝えていきたいと思っています。是非みなさん、国会の各所で、それぞれ戦っていこうではありませんか。

 田中先生にもご指摘をいただきました。私たちには明確な理念があり、明確に綱領に示されました。危機に瀕する国民生活に応える選択肢があります。第一に、過度な自己責任社会から支え合いの社会へと転換しましょう。まずは、コロナ禍の疲弊した経済を立て直すため、時限付きの消費税減税、収入一千万円以下の方々などへの所得税時限免除、困窮者のみなさんへの現金給付、あらゆる政策をハイブリッドに組み合わせ、現場のくらしを支えていきましょう。医療、介護、保育、放課後児童クラブ、障害福祉、生きていく上で不可欠なベーシックサービス、現場のみなさんの勤務状態や賃金を底上げし、サービスの量も増やし、安心できる社会を作っていきましょう。個人の自助努力や、現場で汗をかくNPOやNGOの共助の努力にタダ乗りするだけなら、政治は要りません。政府が責任と指導力を発揮し、公助を強化し、不安を払拭していきます。二つ目に、責任ある「機能する政府」を取り戻しましょう。情報公開を徹底し、コロナ対策など明確な司令塔を作って、政府を行政を機能させましょう。公的サービスは、現場力が決定的に不足をしてしまっています。保健所をはじめ、自治体、公教育、その人員を強化するなど、現場力を強化していきます。いまだに感染症の数をFAXで報告する、一番遅れているのが行政だった。デジタル化の遅れを、急ピッチで取り戻していきます。第三に、さまざまな地域の魅力を引き出し、さまざまな生き方、家族、価値観を自由に選択できる社会を作っていきましょう。使い方の縛られない交付金を拡大し、地域ごとの多様な課題に挑戦する自治体を、主体性をもって取り組むための基盤を作っていこうではありませんか。一次産業にはたくさんの役割がある。戸別的補償制度で、そのベースを、基盤を支えていき、自然エネルギーなど分散型エネルギーシステムを推進して、エネルギーも地産地消を進めていきましょう。選択的夫婦別姓や同性婚など家族のあり方、社会のあり方を世帯単位から個人単位へ、どんな生き方をしても不自由を感じない社会を作っていきましょう。第四に、国民の命と国益を護る現実的な外交安全保障を進めていきましょう。沖縄の辺野古新基地建設問題、そして地位協定の改定、アメリカと粘り強く交渉していく覚悟、そしてそれを進めていく、いい意味でのしたたかさを私たちは持っていきたいと思っています。戦後75年、平和国家としての歩みに誇りを持ちながら、健全な日米同盟を軸に国際的な平和構築と軍縮、そして現実的な課題を見据えて、したたかにアプローチをしていきます。

 まずは、目の前のコロナ対策です。同時に、今私たちが直面してる日本社会は、少なくともバブル崩壊後30年近くの社会の大きな大きな変化に、あまりにも政治が取り残されていた帰結だと思います。昭和の成功体験から抜け出し、国民の足元を見つめ、それを支え、未来への責任を果たしていく。私たちには、明確な対立軸と、そしてそれを実現していくビジョンがある。私は、自信を持っています。こうした理念のもと、ビジョンのもと、多くの仲間が結集して、新しい立憲民主党が誕生する。長期政権の終わるタイミングと一緒になったのは、ある意味「時代の要請」だと思います。戦いは、ここに集まっている私たちだけではできません。今回、残念ながらご参加いただけなかったみなさんも含めて、思いを同じくする多くのみなさんと懐深くこれからもつながり、連携をしていかなければなりません。そして、各地で頑張る地方組織、自治体議員のみなさん、党員、サポーター、パートナーズ、何よりも一人ひとりの国民のみなさんの力が必要です。

 連合のみなさんには、神津会長を先頭に、今回の合流を後押しして頂きました。本当にありがとうございます。そして、合流とタイミングを合わせて、共有する理念、命とくらしを守る新しい標準を作る合意をさせていただきました。自己責任から支え合いへ、私達は、連合のみなさんと働くみなさんの視点に立ったグランドデザインを共有させていただくことができました。すべてのみなさんが安心して暮らせる社会、希望する人が安心して働く場を得られる社会、この共有する理念をさらに内実豊かなものにしていって、連合のみなさんとともに、すべての働くみなさんとともに、私たちは新しい未来を作っていきたいと思っています。

 憲法第25条を待つまでもなく、すべての国民は健康で文化的な生活を営む権利を持っています。幅広い裾野があり、その中で困難を抱えながらさまざまな芸術文化を担っていただいている方がいる。そうした土壌があることが、文化を芸術を花開かせるために不可欠です。社会が、政治が、こうした文化芸術を支える土壌をしっかりと守っていくことが出来なければ、新しい創造も、伝統を引き継ぐことも、できるはずがありません。私たちは、綱領で宣言しました。日本の文化芸術を大切にするとともに、世界の多様な文化と交流しつつ、幅広い文化芸術活動の振興を図ります。

 生活苦でも、自助努力だ、自己責任だ、頑張るしかない、どうしたらいいんだと思ってらっしゃるみなさん、権力者が悪事を働いても罪が公正に裁かれないのではないかと不信を持ってらっしゃるみなさん、お金がなかったら、氷河期世代に生まれたら、女性に生まれたら、セクシャルマイノリティに生まれたら、頑張っても選べる未来は制限されていると思ってらっしゃるみなさん、そんな社会はおかしいんです。そんな理不尽をあきらめてはいけないのです。明日のくらしにも困っている、子育てや老後に不安を持ち、公文書の改ざんや立憲主義の破壊に怒ってるみなさんと、選択的夫婦別姓や同性婚、生き方の自由を認めない社会に理不尽さと違和感を抱いているみなさんと、自分の人生の展望に、この国の未来に漠然と不安を抱き、今は政治を諦めてらっしゃるみなさんと、こうしたみなさんとともに私たちは、この国の政治を変えていきます。長く続いた政治への諦めを、今日から終わらせます。そのためにみなさん、全国で地域を隅々まで歩こうではありませんか。現場の声を聞こうではありませんか。国民のみなさんとともに政治を変えていこうではありませんか。主役は、国会議員ではありません。政治家ではありません。国民のみなさん一人ひとりとともにつくる政治、そのための立憲民主党です。

 永田町の、政治の内側を向くのではなく、奇をてらったパフォーマンスではなく、地に足をつけて国民のために国民とともに戦う政党、立憲民主党になりましょう。闘う相手は、多くの国民のみなさんが直面する困難です。社会の理不尽さです。将来への不安です。この相手をしっかりと見つめて、誰もが安心する、支え合いの社会へ、責任ある機能する政府へ、多様性のある社会へ。会場のみなさん、まずは、一人ひとりみずからが先頭に立って戦っていきましょう。まずは誰よりもその先頭に、私自身が、一番の風当たりを受けながら歩き、いや走っていきます。ウェブでつながっているみなさん、全国の自治体議員のみなさん、党員のみなさん、サポーター、パートナーズのみなさん、是非これまでの経緯をご理解いただき、ともに戦っていこうではありませんか。すべての国民のみなさん、みなさんが主役です。

 私は、私たち立憲民主党は、右でも左でもなく前へ、あなたとともに進みます。時代の扉を開くのは、あなたです。国民一人ひとりの顔の見える政治へ、国民のために国民とともに戦う立憲民主党になる。ともに戦いましょう。私には、立憲民主党には、国民のみなさん、あなたの力が必要です。みなさん、一緒に前に進みましょう。ありがとうございました。