「『門前の小僧』を、皆さまの力で育てていただきたい」。枝野幸男代表は17日、都内で開催された日本商工会議所の総会(第131回通常会員総会)で、あいさつをしました。新党が発足して3日目となったこの日、外部向けとしては、初めてのあいさつとなりました。

 冒頭、枝野代表は「報道などでご承知のことと思いますが」と断りを入れた上で、今回、総勢150名の国会議員からなる新党を結成したことを会場に集まった全国各地の商工会議所会頭らに報告。特に衆院議員の人数は、政権交代が実現する前の民主党所属国会議員に近づく人数となり、「第一次安倍政権が発足して以降、野党として最大の人数をつくることができた」と説明しました。その上で「政治に緊張感を取り戻さなければならない」という使命感から、約1年前に共同会派を構成したこと、新型コロナウイルス対策はもちろんのこと、大学入学試験への英語民間試験導入、検察庁法の改悪などへの対処を通じ、まとまって行動することの意味、価値を再発見したこと、「社会の中で立ちすくむ人たちに、政治が目を向けていることを、もう一度感じ取ってもらわなければならない」との思いから、新党の結成に至ったこと等を報告しました。

 枝野代表は、1959年から約15年の長きにわたり日本商工会議所会頭を務めた永野重雄氏の著書を引き合いに、現在、中小企業の多くが向き合う新型コロナウイルス感染症を、(永野元会頭らが経験した)昭和恐慌と重ね合わせました。そして野党が、持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金など、中小企業の経営維持に不可欠な諸施策について、政府・与野党連絡協議会を通じ、早期の給付や対象の拡大などを再三再四求めてきたことを取り上げた上で、「与野党の力を結集して、国民生活のすべての分野にくまなく目をこらすことこそ、いま求められている」と訴えました。

 枝野代表は、永野重雄氏の「門前の小僧で何でもやったことが、どんなに役に立ったか」という言葉を引用しつつ、「私たち野党の議員は言わば門前の小僧です。皆さまのご期待にお応えできるには、まだまだ力不足かもしれません」と述べつつも、「しかし、政府・与党が、慢心し、緊張感を失うのであれば、商工会議所の皆さまをはじめ、地域の皆さまに小僧を立派にお育ていただくことこそ、政治の持つ力を存分に発揮させる第一歩です」と訴えました。そして「立憲民主党に集う150人の門前の小僧が、立派に皆さまの期待にお応えできる存在に育つよう、私も全力を尽くします。ぜひ各地域で忌憚のないご指導を賜りますよう、お願い申し上げます」と新党への協力を訴えて、あいさつを締めくくりました。