泉健太代表は4月30日、能登半島地震の被害状況の確認と復興に向けた支援のため、輪島市、穴水町、能登町白丸、珠洲市宝立町・正院町・蛸島町・狼煙町、輪島市朝市通りを訪れました。視察には近藤和也県連代表、森山浩行衆院議員らも同行しました。

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■穴水町役場にて吉村光輝穴水町長と意見交換

 泉代表は同日午前、穴水町役場を訪れ吉村光輝穴水町長と意見交換を行い、対口支援パートナー制度、住宅再建、施設再建――等について意見を共有しました。

 対口支援県について、震災前から協定を結んでいた岐阜県八百津町、長野県宮田町、山梨県南アルプス市に加えて、震災発生後に総務省に要請して静岡県、栃木県、奈良県、福岡県が加わって支援を行ってくれたことについて説明を受けました。また、水道の宅内配管工事や住宅再建状況、福祉施設の建物復旧とそれに関わる財政手当て、復旧後の(福祉施設の)スタッフの人員配置について意見を交わしました。

 吉村町長からは、水道の宅内配管工事が追い付いていないなどの住宅再建へ向けた課題から、「日常的に付き合いのある業者は何十件何百件という依頼がすでに入っていて遠方の業者に頼まざるを得ないが、割増しになってしまう」という懸念が示されました。それを受けて泉代表は、「住民側の負担に差が出ないようにしたい」と発言しました。また吉村町長からは、被災した集落ごとにコミュニティを維持するための住宅に関する対策を打ち出す方針が示されました。そのうえで、「(震災から4カ月経った段階で)資金的な見通しが立たない。町でいくら(お金の)上乗せをしたところで家を建てる分には程遠い。個々の経済力によって全然再建方法も変わってくる」など、現状課題の指摘がありました。

 また、吉村町長は福祉施設における課題も指摘。現在閉鎖している2つの福祉施設について言及し、職員が数十人規模で離職している現状を打開するため「経営支援がもう少し必要」との認識を示しました。奥能登地域全体でも介護施設の多くが休業しておりベッド数も減少していることから、サービスが必要な人々が金沢市などの遠方に移ってしまう現状も明らかにしました。

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■輪島市立河原田公民館にて公民館長と意見交換

 泉代表は続いて輪島市立河原田公民館を訪れ、公民館長と意見交換を行いました。

 冒頭、公民館長からは地震、山崩れ、海岸の隆起、津波などのさまざまな災害に見舞われ、多くの方が被災し、亡くなられたことについて改めて説明がありました。

 さらに公民館長は、これまでに経験したことがないほど多くの住民が避難したことで物資の調達が難航した今回の教訓を踏まえ、「小さな公民館でも今後いろいろな物資や燃料など、備蓄できる仕組みを構築してもらいたい」と要望しました。また、原発事故への対応として避難は海路を利用するのを主流と位置づけているものの、今回のように隆起の問題を考慮した場合に逃げ道が限られることなどから、ヘリコプターを活用するとともに、能登空港を中心に医療等の拠点を作ってほしいと発言しました。それに対して泉代表は、陸路が遮断しないと航空機は使えない地域防災計画を(既に)国会内で変更した旨を伝えた上で、「どんどんピストンで運べるようにしておかなければならない」と述べました。近藤衆院議員は、「(台数が多い)民間ヘリコプターを積極的に活用して、協定を結ぶことで、公的には随分とプラスアルファになる」と前向きな見解を示しました。

 最後に公民館長は、地域で少子高齢化が進んでいるからこそ、融資等の復興資金の支援の視野を広げることで早期の復興につながるのではないかと述べた上で、特に福祉について地域の介護施設の支援や介護職員の方々の手当拡充などの具体策をあげました。

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■七尾駅にて記者ぶら下がり取材

 泉代表は同日夕、七尾駅で記者団の取材に応じました。

 地震発生から4カ月経った今なお損害を受けたまま対応されていない住宅の数がかなり多い現状を踏まえ、「生活に不安を感じている方は非常に多いと思う。仮設住宅の建設も進んではいるもののまだ希望者が入れていない。(仮設住宅の取り組みを)加速をしなければいけない」とさらなる支援の必要性を明らかにしました。水道の普及状況にも言及して、「補助金などは、地域・現場の方が実際に使えないことがないように運用の改善にも取り組みたい」と述べました。

 (震災の影響により)漁港の隆起が激しいことで、止まったままになっている漁船を早く動かせるようにしてほしいという声や、仮設住宅から災害の公営住宅に移行する際になるべく長く住みたいという方への配慮をできるかぎりしてほしいという声が寄せられたことも明らかにした上で、「発災直後のニーズ、数カ月後の今のニーズには確実に変化があり、今だからこそ解決しなければならない課題がある。そういったことに対応していきたい。今後定期的に訪問させていただいてその時の政策課題に向き合うことが必要だ」という認識を示しました。

 和倉温泉については、「観光客や事業者の方々が滞在できるような環境づくりを加速させたい」と述べました。仮設住宅や備蓄に関して、「困難のあり方も市街地、漁村、山間部など場所ごとに異なっているので、実態に基づいた防災設備の整備や備蓄を考えておかなければならない」と見解を述べました。

 最後に政治改革についても触れ、「自民党自身が国民の今回の世論、民意を受けて納得できる政治改革案を出すかどうか。まずこれが最大の次の展開」「自民党には改革案の出し直しをしてもらいたい。まずは政治改革」と力を込めました。